◉ピーター・ローゼンダール(p)
1976年1月14日生まれ、9歳からピアノをプレイ。影響を受けたピアニストでは、アーマッド・ジャマルとウィントン・ケリーを挙げており、モダン・ジャズ期のアメリカン・スタイリストからジャズ・ピアノのエッセンスを吸収したことは共感を呼ぶ。母国の先輩格であるカーステン・ダールはピアノの師匠ということもあり、影響関係を本人も認めている。2001年に音楽修士号を取得すると、カトリーヌ・マドセン、シーネ・エイ、フレデリック・ルンディンら北欧のミュージシャンと共演。母国の王立劇場に定期出演中だ。自宅があるコペンハーゲン南東部の小島アマー近くの海で寛ぐ時間をこよなく愛する。最近はプロコフィエフ、ヒンデミットやあらゆる種類の民族音楽に興味を広げている。
ローゼンダールはこれまでに4枚のリーダー作をリリース。2003年の『Live At Copenhagen Jazzhouse』(Cope)は輸入盤市場で注目を集め、日本でファンをつかむきっかけとなった。続く2004年作『Wondering』も前作と同じマッズ・ビンディング+モーテン・ルンドとのトリオ。2005年の第3弾『Rosendal Earle Templeton』、自ら多楽器奏者ぶりを発揮した2007年の『Solo』、第3弾と同じトリオによる2008年作『Tide』、ハンス・ウルリク(ts)、ヤコブ・フィッシャー(g)らを迎えた2010年の『Pica-Pau』(以上Stunt)と、順調に才能を開花させてきた。またデンマークで最も成功した若手トラディショナル・ジャズ・バンドと評されるシックス・シティ・ストンパーズでフリューガボーン(フリューゲルホーン形状のバルブトロンボーン)を担当。2作品を発表している。
◉マッズ・ビンディング(b)
1948年コペンハーゲン生まれ。16歳でプロ入りし、同地の名店“クラブ・モンマルトル”のハウス・ベーシストを務めた。これまでに参加したアルバムは600作を超える。エンリコ・ピエラヌンツィを擁したトリオ・リーダー作『The Kingdom』は名盤の誉れ高い。多くの信頼と尊敬を集めるデンマーク最高の名手。
◉モーテン・ルンド(ds)
1972年デンマーク北部ビボー生まれ。6歳からドラムを始め、王立音楽院在学中にビッグ・バンドで活動。卒業後コペンハーゲンを拠点に、欧米の著名ミュージシャン多数と共演。2000年代初めには北欧新世代屈指の多忙なドラマーに成長した。近年はステファノ・ボラーニ(p)との共演で優れた成果を挙げている。