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2013/08/03

一人明暗的音楽


今朝の新聞誌面で音楽家の大友良英さんが話していた。大友さん作曲の『あまちゃん』のテーマソングが大ブレーク。


---「あまちゃんの作曲家」として知名度が高まりました。
 
ブレークと言うんだろうねー。ヒットチャートでアイドルと並んでボクの名前が出ているんだから。「曲を聴いて赤ちゃんが泣きやむ」とか言われると、もう自分の手を離れて不思議な感じ。今まで一般の人の話題に上がるような曲は書いてこなかったから、戸惑ってます。サントラ盤は既に3万枚超売り上げたというけれど、同じ月に出したボクの別のCDは45枚だったりする。「一人明暗」です。
                        朝日新聞 be誌面より


先日音楽担当の記者の方たちと話した時、大友良英さんについて「内へと向かいがちな,家の中だけでやっていたようなクラシック音楽家たちを表に引出したアバンギャルド。いいよね」と言うようなことをある記者が語っていた。その記者はクラシック信者だと私は長年思っていたのでその発言に驚き。見てる人は見てるのだ。ジャンルを超えいいものはいいのだ。

「昔から、ジャンルとか所属とか出身とかで物事の優劣を付けることが大キライ。音楽界にもクラシックを頂点としてジャズ、ロック、ポップス・・・というヒエラルキーがある。(中略)それをぶっ壊したかった。」大友良英(同新聞より)

ますます魅力的だなあ。その魅力的な活動をずっと続けてほしい。
大友さんと北欧のミュージシャンといつかセッションをと思っていたけれど「あまちゃん」でブレークされたので超イソガシの日々がこれからも続くでしょう。実現は無理かもしれないと本気で思うようになってきた。
でも、ずっと応援している。

「依頼されて曲を作る職人だという自負もある」
「ずっと好きでやってきたことを溶かし込んだだけ」

明と暗。
人生も社会も明るい場所だけではないです。
というわけで。
3万枚売れる音楽も45枚しか売れない音楽も、私には大切な音楽です。

二つを楽しんでいるふうにも見える「一人明暗」。いい言葉だなあ。