Rhapsody - Impressions of Hammershøi -
Nikolaj Hess feat. Marilyn Mazur
ラプソディ - ハンマースホイの印象
ニコライ・ヘス フィーチャリング マリリン・マズール
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マズールが与えるのは色彩ではなく、風景のなかに隠された律動のようなものだ。
木の葉がかすれたり、服が擦れたり、
本のページをめくったりするような小さな動きが、リズムとして景色のなかで息づく。
そのリズムを、ヘスのピアノが、ドラマチックな叙情へと拡張していく。
Mikiki 『Rhapsody』コラム intoxicate 2016 February より
マズールが与えるのは色彩ではなく、風景のなかに隠された律動のようなものだ。
木の葉がかすれたり、服が擦れたり、
本のページをめくったりするような小さな動きが、リズムとして景色のなかで息づく。
そのリズムを、ヘスのピアノが、ドラマチックな叙情へと拡張していく。
Mikiki 『Rhapsody』コラム intoxicate 2016 February より
デンマークのピアニスト、ニコライ・ヘスが同国を代表する画家ヴィルヘルム・ハンマースホイに捧げたアルバムだ。フェルメールにも通じる、静寂な空間の気配をも描いてみせるこの画家の世界にいたく触発されたのだろう。ピアノの音は強い意志の力を感じさせ、ハンマースホイの心の深淵に迫ろうとするかのようだ。そして、全編を貫くニコライの透徹した美意識もまた強い思いを感じさせる。彼が本作で描いた音の世界は、冒頭から最終曲までどの曲にも物語が息づいていて、無限に連なりあっていく。
すべての楽曲は有機的な関連性を持ち、アルバムというひとつの世界を織り成す欠かせない部分としてそこにある。「アイ・ヒア・ア・ラプソディ」「スマイル」といったカヴァー曲も、ニコライの鮮やかなオリジナル曲と比してもまったく違和感のない個性的なヴァージョンに仕上がった。傑出した音楽家と画家の、時間を超えた邂逅が生んだ見事な成果だ。
上村敏晃氏 / CD Journal 3月号
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静謐で燦然とした秀作。
往年のECM的響きが全篇に満ちみちている。
音楽に美を求めてやまない方々には絶好のアルバムなので、見逃すなかれ。
久保田高司氏 / Jazz JAPAN vol.67
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音像空間に楽器の配置が幻想的に浮かぶミックス・バランスの妙
Jan Eric Kongshaug がミックス、マスタリングに関わったとあっては黙っていられない。
飛び出したピアノの澄んだ音は誰にも真似の出来ない、あのサウンドだ。
芯は太くて繊細さが鋭く突き刺さる感触は感服。ECMと異なる膨張感が新しい発見。
パーカッションの扱い方が素晴らしい。
マリリン・マズールの軽快なパーカッションが、
距離感を保って表現されているのに新鮮さを感じる。
彼女の録音に接した筆者も、この表現は参考になる。
ドラムをこれとの対比で、かなりしっかりした音像で引き締める技は脱帽だ。
ゆったりと聞かせるベースは、全体を安定させ音像を幅広く表現し、
オーディオ的にも安定感がある。
ミックス・バランスに細心の配慮が窺え、音像空間に楽器の配置が幻想的に浮かぶ。
及川公生氏 / JAZZTOKYO
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ヴァラエティに富みながら、
リリカルなプレイが生む凛とした空気感が
作品にひとつの筋を通している。
御子柴亮輔氏 / JAZZLIFE
ありがとうございました!