このところボストン時間で目が覚めてしまい、早起きして早朝の月を見ることが楽しみ(年寄りだ)
今朝の月は午前6時に東の空に見える細い細い三日月でした(正確には三日月ではなくクレセントかもしれませんが)
写真の月は、西の空に見える正真正銘の三日月。
松下功氏(東京藝術大学演奏藝術センター教授)のコンサート『天地響應』へ行ってきました。このコンサートは、真言宗の僧侶の唱える聲明、林英哲氏の太鼓と、オーケストラが創り出すいわゆる「音の曼荼羅」です。
林英哲氏によると、太鼓を演奏していると時々それが月のように思えるのだそうです。
まるで自分が月の中に、宇宙の中に入って行って、宇宙と対話をしているような感覚になるのだとか。
今回のコンサートは松下功氏の描かれた楽譜の中から始まりましたが、それをまた大きく超えて、視聴する私たちは自由に想像できる空間に入り込んでしまっていました。
精神的に解き放たれうるコンサートは素晴らしいですね。
今回初めて松下氏のコンサートへ行きましたが、松下氏はそういう音楽を大変楽しんでいらっしゃる方だと感じました。
それにしても聲明と太鼓はどうしてこんなに響き合うのだろう。
多分、山下洋輔さんが以前林英哲さんと演奏をされたように、太鼓はピアノとも響き合うと思う。
異空間にいる者同士が共通言語を使い対話するがごとく。
聲明にも楽譜が存在すること、私は今回初めて知りました。
「博士」と呼ばれる線形楽譜です。
今回演奏された曲目の中でも「対偈」という曲は美しいカノン風の曲。
「云何唄」は1音に様々な装飾音をつけて延々と唱える8世紀頃の中国製声明の代表作だとか。
聲明から勝手に私は『陰陽師』の中にでてくる、土の中で無心にお経を唱える蝉の子供たちを想像していました・・。すみません。
蝉の子供たちが暗い土の中で唱えるお経もまた土の中から飛び出て時空を超えて天へとつながっていきます。