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2011/09/24

昨夜、代々木で

昨夜の陰陽師朗読コンサート、素敵でしたね。
初めて出かけて行った代々木能舞台。とても雰囲気のある会場でした。
その能舞台で、朗読とジャズがどのように響き合うのか。
そして。
夢枕獏の語る「はるかなるもろこしまでも」に、庭の虫の音(これは全くの自然の音)が合わさった時のタイミングの妙には唸りました。多分、会場にいた人皆がこの絶妙な時間と空間を共有していたのだと思います。これはこの舞台ならではのもの。

驚いたのは、Ky(仲野麻紀&Yann Pittard)が音という空間を使い、物語・陰陽師の世界を素晴らしく構築していたことです。即興でKyの2人は音を作り出していくのですが、語りを異次元へと誘う心地よい音色。
夢枕はフランス公演でも朗読をインプロのジャズと奏でましたが、今回はその日本版でした。

その他にKyはインプロだけではなく、Yann Pittardのオリジナル曲Never Everなども披露。Never Everは自然を壊す人間に対し静かに抗議し続けるという意味を持つ曲だとか、終演後に熱く語ってくれたYannさん。オリジナル曲も優れているYannさんは現在コンポーザーとしても活動していて映画の音楽などを作っているそうです。
原発の国フランスからやってきた2人が、日本の地で静かに訴えた言葉にも心を惹かれました。

優れた音楽を自らも奏でつつ日本に紹介し続けている仲野麻紀さんの活動もとても素敵です。

右写真 画面右側が能舞台の客席です。
この舞台にピアノが置けないのが本当に残念。
ピアノはシルクロードを渡ってきた楽器ではないので、能舞台にはやはり似合わないのか。