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2011/06/12

ツアーを終えて・・

昔、桂米朝さんの追っかけをしていた時に、関東に住む私は米朝さんをできるだけ小さな小屋で聞きたくて関西の人がうらやましくて仕方なかったことがあります。めったに聞けない米朝さんのアドリブがとても素敵だった。そのわずかなハプニングを聞くために関東から京都の独演会に通っていました。今はもうほとんど舞台には上がられない米朝さんですが、通い詰めて聞いた最後の京都の独演会はすごかった。やはり落語もライブなのです。


マグナス・ヨルトのピアノの魅力、その面白さは、アルバムではなく本当はライブにあると思っています。

今回は日本の大きなライブハウスを意識して、まとめようと健気に頑張っていた若いマグナスですが、本当はもっと自由に弾けてもらいたかった。
今回のライブを企画した私がこんなことを言うのも変なのですが、彼の本来の魅力はもっともっと違うところにあると思います。

ライブハウスでの演奏、そこで起きるハプニングにこそジャズライブの本来の魅力があるような気がするのです。
それこそが私がジャズという音楽に惹かれる所以です。

彼がペーターと池長一美に引っ張られて、スタンダード曲を演奏する時の魅力は尋常ではありません。
だから本当は日本でもハプニングが起きうるような小さなライブハウスでのツアーをたくさんやりたかったのです。
ですが、小さなライブハウスでは来日ミュージシャンのライブは難しいという制約があります。
それはワーキングビザの取得という大きな障壁です。いつかこのことも思いっきり書きたいのですが・・・。
招聘という仕事をしている以上、これは最低限守らねばならないことです。
(彼らは観光で来るのではなく、あくまでもプロとしてステージの上に立つ、ということです)


ツアー最終日の吉祥寺サムタイムでは、そのハプニングが少し起きかけました。お客様の中で何人の方が気づかれたでしょう。ステージをぐるりと客席が取り囲むサムタイムは、そういうハプニングが起こりやすい魅力あるライブハウス、ということだと思います。

次回、もっともっと魅力あるライブを企画したいと思います。
そう言う訳で、懲りずにまたどうぞお越し下さい。Cloudはジャズの大好きなあなたのためにあります。