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2014/11/24

ヨルタモリ「ジャズに入門編はない」

「キャンバスとその木枠を買った時点で間違いは始まっている」ヨーゼフ・ボイス


ニコライ・ヘス(p)クリスチャン・ヴースト(t.sax)アンダース・クリステンセン(b)
アフリカのリズムを持った北欧のジャズが日本で出会う瞬間 @新宿ピットイン


日曜深夜のTVバラエティ番組「ヨルタモリ」を昨夜久しぶりに見ました。
先週の日曜の夜はツアー中で京都。デンマークから来たミュージシャンを先斗町のジャズバーに案内。音楽の話をしながらリクエストのコルトレーンなどを聴くという至福の時間を過ごさせてもらっていました。


昨夜の「ヨルタモリ」のゲストは黒木瞳さん。昨夜はカウンターには大友良英さんの姿も。黒木さんはジャズを全く聴かないそうです。宮沢りえさんが「ジャズ入門には何がお薦めですか?」というようなことをタモリさんに訊ねたその時「ジャズに入門篇なんかない」「すべてが素晴らしい」と、真剣に答えたタモリさんの表情がとても印象的だった。
本当にそう思う。入門編から大人しく聴いていたらいつまでたってもジャズの一番おもしろいところにはいけないだろうなあと思う。
ジャズは路地裏の小さな道もジャイアントの大きな道もすべてが最高。どういう風に聴こうが全く自分の勝手で手当たり次第に自分にとって最高のものを探しながら聴いていくことこそがおもしろい。いつもどんな時でも目からうろこ状態なのがジャズで、どんなジャズもあり得るものであり、自分からライブやアルバムにダイブしていくことのみが最高の興奮へとつながる。
お薦めはどれですか?と聞かれて全部お薦めですとつい答えてしまいます。もちろんその時に当たり外れはあって当リ前です。自分のアンテナをどこにどのように持っているかどうかで決まるものですので。
こんなことはジャズが心底好きな方でしたら皆様ご存知のことですので私がここであらためて熱く口角泡を飛ばすなよなあですが、「ヨルタモリ」で一瞬真剣になったタモリさんがちょっと昨夜の私にはぐぐっと来たのでオフィシャルページの隅に書かせていただきました。


「キャンバスとその木枠を買った時点で間違いは始まっている」ヨーゼフ・ボイス
ドイツのシュタイデル社のオフィスの壁に掲げられた言葉です。


タモリはまるでジャズプレイヤーのように、即興でこの番組を楽しんでいる。それがとても心地いい。日曜日の深夜にぴったり。もちろん「タモリの密室芸」もキンキンに冴えている。最高です。この番組が永遠に続きますように。